📋 この記事の流れ
結論:決算月+2か月が法定申告期限
法人の確定申告は、決算月の翌日から2か月以内に行う必要があります。例えば:
- 3月決算 → 5月末申告
- 9月決算 → 11月末申告
- 12月決算 → 2月末申告
申告と納付を同時に行います。期限を過ぎると無申告加算税・延滞税が発生し、青色申告の取消リスクもあるため厳守が必要。事前に「申告期限の延長の特例」を申請すれば1か月延長可能です。
決算から申告までのタイムライン、必要書類7セット、作業手順6ステップ、自力対応と税理士依頼の判断軸、電子申告の活用方法まで実体験ベースで整理しています。
申告までのタイムライン(決算月→2か月後)
当月
決算前の整理(節税対策のラスト)
決算月の月初〜月末で、決算賞与・経費前倒し・在庫調整・小規模企業共済前納などの節税対策の最終調整。利益見通しを確認し、必要な仕訳を入れる。
末日
事業年度終了 → 決算作業開始
事業年度の最後の取引まで仕訳を完了。月締め残高の確認、棚卸(在庫がある場合)、減価償却の計算など。
1か月
決算書類の作成
貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表を作成。クラウド会計ソフトで自動生成可能だが、勘定科目の振り分けに調整が必要。
1.5か月
申告書類の作成
法人税申告書(別表1〜16等)・勘定科目内訳明細書・法人事業概況説明書を作成。地方税申告書(都道府県・市町村)も並行作成。消費税申告書も課税事業者なら必要。
2か月
申告と納税
e-Tax/eLTAXで電子申告(または税務署窓口・郵送)。同時に法人税・地方税・消費税を納付。納付方法はダイレクト納付・クレジット納付・電子納税・銀行窓口など。
決算月+2か月には申告だけでなく納付も必要です。法人税・地方税・消費税を合わせると数十万〜数百万円規模になることがあるため、事業年度を通じて納税資金を別口座で確保しておくのが安全です。
必要書類7セット
| 書類 | 内容 | 提出先 |
|---|---|---|
| ① 法人税申告書(別表) | 別表1〜16等。所得計算の中核書類 | 税務署 |
| ② 決算書 | 貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表 | 税務署 |
| ③ 勘定科目内訳明細書 | 主要な勘定科目の内訳明細 | 税務署 |
| ④ 法人事業概況説明書 | 事業内容・組織・帳簿の保管状況などの概況書 | 税務署 |
| ⑤ 地方税申告書(都道府県) | 法人都道府県民税・法人事業税 | 都道府県税事務所 |
| ⑥ 地方税申告書(市町村) | 法人市町村民税 | 市町村役所 |
| ⑦ 消費税申告書 | 課税事業者の場合のみ。原則課税 or 簡易課税で書式が異なる | 税務署 |
クラウド会計ソフトで自動生成
これらの書類は、クラウド会計ソフト(freee/MF/弥生)の申告機能を使うと、入力した仕訳データから自動生成できます。手書きで計算する時代ではないので、申告ソフトの活用が必須です。
作業手順 全6ステップ
事業年度の仕訳を完了
決算月末日までの全取引を仕訳に反映。現金・預金残高、売掛金・買掛金、棚卸資産、減価償却を確定。クラウド会計ソフトで日次〜週次で仕訳していれば、決算月末に確認するだけで済みます。
決算整理仕訳
減価償却費・引当金繰入・前払費用・未払費用などの決算整理仕訳を入れる。これで「期間損益」が確定し、決算書のベースが整います。
決算書を作成
貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表をクラウド会計ソフトで自動生成。プリントアウトして残高・科目を最終確認。
法人税申告書(別表)を作成
クラウド会計ソフトの申告機能 or 国税庁の申告書作成ソフトで作成。別表1(税額計算)、別表4(所得計算)、別表5-1(利益積立金)、別表7(繰越欠損金)など、必要な別表を作成。
地方税・消費税の申告書作成
都道府県民税・市町村民税・事業税の申告書をeLTAXで作成。消費税申告書(課税事業者)も並行作成。
電子申告と納付
e-Tax(国税)とeLTAX(地方税)で電子申告。納付はダイレクト納付・クレジット納付・電子納税のいずれかで対応。納付完了後、控えをダウンロードして保管。
私は1期目の決算は税理士に丸投げ(決算スポット約10万円)し、2期目から自力対応に切り替えました。クラウド会計ソフト(マネフォ)の申告機能を使えば、別表の自動生成・e-Tax連携まで対応してくれます。
ただし「別表5の利益積立金」「別表7の繰越欠損金」など、自分で考えて入力が必要な箇所もあるため、最初の1期は税理士の作成書類を「お手本」として持っておくことが、後々の自力対応の助けになりました。
自力対応 vs 税理士依頼の判断軸
| 方法 | 費用 | 所要時間 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| ① 完全自力(書籍・国税庁サイト参照) | 0円 | 30〜80時間 | 非常に高い |
| ② クラウド会計ソフト+自力 | 会計ソフト料金のみ | 10〜30時間 | 中(推奨:2期目以降) |
| ③ 決算スポット税理士 | 5〜20万円 | 2〜5時間(税理士に渡すだけ) | 低(推奨:1期目) |
| ④ 顧問税理士契約 | 年12〜40万円+決算料 | 月次レビュー+年1の打ち合わせ | 低(推奨:利益安定後) |
推奨ステップ
- 1期目:③決算スポット税理士(書類のお手本を作ってもらう)
- 2期目:②クラウド会計ソフト+自力(1期目を参考に)
- 3期目以降(利益が安定したら):④顧問税理士契約に切替
電子申告(e-Tax/eLTAX)の活用
2024年以降、資本金1億円超の大法人で電子申告が義務化。中小法人にもこの流れが広がっています。電子申告の3つのメリット:
- ① 提出の手間ゼロ:税務署窓口・郵送が不要、24時間提出可
- ② 受付確認が即時:受信通知が届くので未着の心配なし
- ③ 添付書類の電子化:勘定科目内訳明細書なども電子データで提出
必要なもの
- マイナンバーカード(または法人代表者の電子証明書)
- 電子証明書対応のICカードリーダー(またはスマホアプリ連携)
- e-Tax/eLTAXのアカウント(無料登録)
- クラウド会計ソフトの申告機能との連携設定
freee/MF/弥生のいずれも、申告データをそのままe-Tax/eLTAXに送信する機能を標準装備しています。ボタン一つで電子申告完了するため、紙提出に戻る理由はもうほぼありません。
よくある質問(FAQ)
Q. 法人の確定申告は自力でできますか?
A. 技術的には可能ですが、難易度はかなり高いです。法人税申告書(別表1〜16等)・勘定科目内訳明細書・法人事業概況説明書など、個人の確定申告とは比較にならない量の書類が必要。クラウド会計ソフトの申告機能を使えば自力でも対応可能ですが、最初の1〜2期は税理士に依頼して「お手本」を作ってもらい、3期目以降を自力に切り替えるのが現実的です。
Q. 法人の確定申告の期限はいつですか?
A. 原則として、決算月の翌日から2か月以内です。例:3月決算なら5月末、9月決算なら11月末。法人税・地方法人税・法人住民税・法人事業税・消費税の5つの申告と納付をこの期限までに行います。期限を過ぎると無申告加算税・延滞税が発生し、青色申告の取消リスクもあるため厳守が必須。
Q. 法人の確定申告に必要な書類は?
A. 主な書類は以下:①法人税申告書(別表)、②決算書、③勘定科目内訳明細書、④法人事業概況説明書、⑤地方税申告書(都道府県)、⑥地方税申告書(市町村)、⑦消費税申告書(課税事業者)。これらをまとめて税務署・都道府県・市町村の3か所に提出します。e-Tax/eLTAXで電子申告も可能です。
Q. 電子申告(e-Tax)と紙の申告はどちらがいいですか?
A. 電子申告(e-Tax/eLTAX)が圧倒的に有利です。理由:①紙提出の手間・郵送費がゼロ、②税務署窓口に行く必要なし、③24時間提出可能、④2024年以降は資本金1億円超の大法人で電子申告が義務化されており流れは電子化。マイナンバーカードと電子証明書(または税理士の代理送信)があれば対応可能。
Q. 確定申告で間違えた場合の対応は?
A. 対応は2つあります。①修正申告:申告した税額が少なかった場合に、自主的に修正する。本税の追徴+過少申告加算税+延滞税が発生。②更正の請求:申告した税額が多すぎた場合に、税務署に還付を請求する。法定申告期限から5年以内なら可能。間違いに気づいたら早めに税理士に相談し、修正申告を税務署から指摘される前に自主的に行うのが安全です。
📝 この記事のまとめ
1期目の決算は税理士のお手本があると2期目以降の自力対応が圧倒的に楽になります
「初めての決算で何から手をつければいいか分からない」「自力対応のレビューだけ税理士にお願いしたい」など、個別判断は税理士相談が確実です。決算スポット契約も含めて検討してみてください。
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