← トップへ戻る 💴 役員報酬の具体計算
2026年最新版・具体計算

役員報酬
月10万円のリアル|
社保・所得税の具体計算と手取り

「副業マイクロ法人で役員報酬月10万円って、結局手取りいくら?」「社保はどれだけ取られる?」を、年収帯別の実数字で整理しました。本業との合算で何が起きるか、本業バレリスクの具体経路まで解説します。

読了時間 約7分 | 役員報酬設計の必読

結論:手取りは月6.5〜7万円程度

結論からお伝えします。副業マイクロ法人で役員報酬を月10万円(年120万円)に設定すると、社会保険料・所得税・住民税を引いた手取りは概ね月6.5〜7万円になります。年間で約78〜84万円が手元に残る計算です。

「10万円取るのに3万円以上引かれるの?」と感じる方もいますが、これは本業給与と合算しての社保按分・所得税の限界税率(20%程度)が効いた結果です。

👉 この記事で分かること
月10万円の役員報酬の社保・税金の具体計算、なぜ「月10万円」がよく語られるのか、年収帯別の手取りシミュレーション、役員報酬ゼロとの比較まで実数字ベースで整理しています。

「月10万円」がよく語られる4つの理由

理由1:社保最低等級に近く、コスト最小化

標準報酬月額の最低等級(健康保険・厚生年金とも約5.8万円〜8.8万円相当)に近い水準で、社保適用を受けながらコストを抑えられる。月20万円・30万円と取るより1人あたりの社保負担は低い。

理由2:給与所得控除55万円の活用

役員報酬は給与所得扱い。給与所得控除の最低額55万円が使えるため、年120万円の役員報酬でも給与所得は65万円に圧縮される。本業給与の控除55万円も別途使えるので、二重に控除を活用できる。

理由3:本業合算で所得税の累進が大きく動かない

本業年収500〜700万円程度の人にとって、月10万円(年120万円)の上乗せは限界税率20%帯に収まることが多く、税負担の追加が予測しやすい。月20万円以上だと税率帯が上がる可能性。

理由4:家族役員報酬と組み合わせやすい

自分月10万円+配偶者月10万円のような構成にしやすく、世帯単位の所得分散戦略が組みやすい。月10万円=年120万円は配偶者控除の壁(103万・150万円)の検討対象としても扱いやすい金額。

社会保険料の具体計算

本業+副業法人の合算で社保が按分計算される仕組みです。シンプルケースで試算してみます。

前提:本業月給40万円+副業法人役員報酬月10万円

📊 社会保険料の計算(概算)

合算報酬月額500,000円
標準報酬月額(保険料計算用)500,000円相当
社会保険料率(個人負担分・概算)約14.8%
個人負担合計(月)約74,000円
本業按分(40/50)約59,200円
副業法人按分(10/50)約14,800円
月10万円役員報酬での社保負担増分約14,800円/月

※ 上記はあくまで概算。実際は標準報酬月額の等級・年齢・健保組合の料率で変動します。

「二重払い」ではなく「按分」
本業のみだった時の社保(月約59,200円)と、合算後の本業按分(月約59,200円)はほぼ同じ。副業分の月14,800円が「上乗せ分」として発生するイメージです。本業の手取りが減るわけではなく、副業法人側で14,800円分の社保が新たに発生する構造。

所得税・住民税の具体計算

役員報酬は給与所得として課税されます。本業給与と合算した課税所得に対して所得税・住民税が計算されます。

前提:本業年収600万円+副業法人役員報酬年120万円

📊 役員報酬120万円分の追加税負担(概算)

役員報酬(年)1,200,000円
給与所得控除(55万円)-550,000円
給与所得(追加分)650,000円
所得税(限界税率20%)約130,000円
住民税(10%)約65,000円
所得税・住民税の年間追加負担約195,000円/年

※ 上記は本業年収600万円の場合の限界税率20%を前提にした概算。家族構成や控除によって実際の税額は変動します。

手取り計算

📊 月10万円役員報酬の年間手取り(本業年収600万円ケース)

役員報酬(年)1,200,000円
社会保険料追加負担(年14,800×12)約177,600円
所得税・住民税追加負担約195,000円
年間手取り増加約827,400円

月平均すると、約 68,950円/月の手取り増(10万円の約69%)となります。

本業年収別 手取りシミュレーション

本業年収 所得税限界税率 役員報酬10万円
年間追加税
年間手取り増 月平均手取り
400万円10%約162,500円約860,000円約71,700円
600万円20%約195,000円約827,400円約68,950円
800万円23%約214,500円約807,900円約67,300円
1,000万円33%約279,500円約742,900円約61,900円

※ 上記は概算で、家族構成・控除・健保組合により変動します。本業年収が高いほど限界税率が上がり、追加役員報酬の手取り率が下がります。

私は副業法人成りの初期に「役員報酬を月10万取ろうかな」と検討した時、手取りが想定より少ないことに気づきました。10万円取って手取り7万円弱だと、「実質は7万円分の節税効果しか期待できない」とも言えます。

結果として「本業給与で生活費は足りているし、社保負担増を避けたい」という理由で役員報酬ゼロ運用に切り替えました。月10万円取ったほうがいいケースは、独立志向や厚生年金の受給額を増やしたい人など、長期目線で社保メリットを取りに行く人だと感じています。

月10万円 vs 役員報酬ゼロ どちらが得か

項目 役員報酬ゼロ 役員報酬月10万円
個人の年間手取り増0円約80万円
社保負担増(年)0円約18万円
所得税・住民税増(年)0円約20万円
法人の課税所得増+120万円(経費減)0円(120万円が経費)
法人税増(実効25%)+30万円0円
本業会社へのバレリスク低い中〜高
厚生年金の将来受給額変わらず増加

向くケースの整理

よくある質問(FAQ)

Q. 副業法人で役員報酬を月10万円に設定すると手取りはいくらになりますか?

A. 本業の年収によって変わりますが、副業法人単体での月10万円のうち、社会保険料(個人負担約14.8%)+所得税(限界税率20%程度)+住民税(10%)を引いた手取りは概ね月6.5〜7万円程度になります。本業との合算で社会保険料が按分計算されるため、本業会社で控除される社保額も変動します。

Q. なぜ「月10万円」がよく語られる金額なのですか?

A. 理由は複数あります。①社会保険料の最低等級に近く、社保負担を最小限に抑えながら社保適用を受けられる。②給与所得控除の最低額55万円が活用できる。③本業給与との合算で所得税の累進税率が大きく上がらない範囲。④家族役員報酬と組み合わせやすい金額。これらの観点から「副業マイクロ法人の典型額」として広く語られています。

Q. 月10万円より少額(例:月5万円)でも社会保険に加入できますか?

A. 原則として加入義務があります。副業法人の役員でも報酬を取れば被保険者資格が発生します。標準報酬月額の最低等級は健康保険・厚生年金とも約5.8万円相当のため、月5万円程度の役員報酬でも社保適用対象。役員は労働時間・労働日数の要件で対象外になることはなく、報酬の有無で判定される点が一般従業員と異なります。

Q. 月10万円の役員報酬を取ると本業会社にバレますか?

A. 間接的にバレる可能性があります。経路:①本業会社の給与計算担当者が「社会保険料の控除額が変わった」と気づく、②住民税の特別徴収額が変動して経理が気づく、③源泉徴収票・年末調整書類の不整合。本業の副業規定が厳しい場合、月10万円の役員報酬を取るリスクは慎重に判断する必要があります。

Q. 月10万円の役員報酬と役員報酬ゼロ、結局どちらが得?

A. 本業給与で生活費がまかなえる副業サラリーマンなら役員報酬ゼロが有利になりやすく、本業給与で生活費が不足する人や独立志向の人なら月10万円程度の役員報酬を取るのが現実的です。家族構成・本業年収・将来計画で判断軸が変わるため、税理士に個別シミュレーションしてもらうのが確実です。


📝 この記事のまとめ

💴
月10万円役員報酬の手取りは約7万円。社保+所得税+住民税で約3万円が引かれる。
📋
「月10万円」が定番なのは4つの理由。社保最低等級+給与所得控除55万円+累進税率+家族役員との組み合わせ。
📊
本業年収が高いほど手取り率が下がる。年収1,000万円なら手取り率約62%まで低下。
⚖️
役員報酬ゼロとの比較。本業バレリスクを最小化したいならゼロ、独立志向や年金受給増を狙うなら月10万円。
🎯
個別事情で最適額は変わる。家族構成・本業年収・将来計画で判断。税理士に個別シミュレーションが確実。
税理士に役員報酬の最適化を相談する

「自分のケースで月10万円が最適か」は具体計算で判断できます

本業年収・家族構成・将来計画で最適な役員報酬額は変わります。税理士の無料相談を活用して、自分のケース別シミュレーションを聞いてみてください。

税理士の無料相談を探す →
※本記事のシミュレーションは2026年5月時点の税法・保険料率に基づく概算です。実際の税負担・社会保険料は、家族構成・健保組合・自治体・控除の有無で変動します。個別の役員報酬設計は、必ず税理士・社労士等の専門家にご相談のうえ、読者ご自身の判断で行ってください。
※本サイトはアフィリエイト広告を含みます。