← トップへ戻る 📁 電子保存対応
2026年最新版

電子帳簿保存法
対応ガイド
副業法人版(2024年義務化対応)

2024年1月から、電子取引データを紙で保存することは原則認められなくなりました。副業法人でも対象です。「全部の請求書を電子化しなきゃダメ?」「タイムスタンプは必須?」という疑問を、最小限の手間で対応できる方法を中心に整理しました。

読了時間 約7分 | 副業法人主・必読

結論:副業法人で必須なのは「電子取引データの電子保存」だけ

電子帳簿保存法(電帳法)の話は複雑に聞こえますが、副業法人主が押さえるべきポイントはシンプルです。2024年1月から義務化されたのは「電子取引データの電子保存」のみ。それ以外は基本的に任意です。

👉 この記事で分かること
電子帳簿保存法の3区分・必須対応の電子取引データ保存・タイムスタンプ不要の最小限対応・検索要件の緩和措置・クラウド会計ソフトの活用までを副業法人主視点で整理しています。

電子帳簿保存法の3つの保存区分

電帳法には3つの保存区分があります。区分によって対応の必須/任意が分かれます。

任意

① 電子帳簿等保存

会計ソフトで作成した帳簿・決算書等を、紙印刷せずデータのまま保存する制度。要件を満たすと税務優遇あり。

任意

② スキャナ保存

紙で受領した請求書・領収書をスキャンして電子保存する制度。原本を破棄できる。タイムスタンプ等の要件あり。

必須

③ 電子取引データ保存

電子で授受した取引情報の電子保存。2024年1月から完全義務化。すべての法人・個人事業主が対象。

必須なのは③だけ

副業法人主として、最初に対応すべきは③のみ。①②はやれば便利ですが、対応しなくても税務上の問題はありません。「全部やらないと違法になる」と勘違いすると、対応コストが膨大に感じてしまうので注意してください。

必須対応:電子取引データ保存の要件

2024年1月から義務化された電子取引データの保存には、2つの要件があります。

要件1:真実性確保(改ざん防止)

受け取ったデータが改ざんされていないことを担保する仕組み。以下のいずれかで対応します。

多くの副業法人主は③の事務処理規程の整備で対応しています(後述)。タイムスタンプは追加コストがかかるため、必須ではありません。

要件2:検索性確保

税務調査時にデータを素早く出せるよう、以下の3項目で検索可能にします。

後述の小規模事業者向け緩和措置を活用すれば、検索機能なしでも対応可能です。

電子取引データの具体例

取引データ 従来の対応 電帳法後
メール添付PDF請求書印刷して保存電子保存必須
Amazon・楽天の領収書PDF印刷して保存電子保存必須
クラウド請求書サービスのPDF印刷して保存電子保存必須
QRコード決済の利用明細印刷して保存電子保存必須
銀行のWEB明細印刷して保存電子保存必須
紙の請求書(郵送)紙で保存紙のままOK
レシート(手渡し)紙で保存紙のままOK

最小限で対応する方法(タイムスタンプ不要)

追加コストを最小限に抑えて電帳法に対応する方法を整理します。

STEP 1

事務処理規程を作成

「電子取引データの訂正・削除に関する事務処理規程」を1〜2ページで作成。国税庁のサイトに雛形があります。「データの訂正・削除を行う場合の手続き」「責任者」「保存期間」を明記すれば OK。

STEP 2

保存先のフォルダ構成を決める

例:「2026年度/請求書/〇〇社/20260509_50000_acompany.pdf」のようなフォルダ+ファイル名規則。Google Drive・Dropbox・OneDrive いずれでも可。

STEP 3

受領したデータを保存

メール添付PDF、ECサイトのダウンロードPDFなどを、そのままフォルダに保存。日付・金額・取引先がファイル名から特定できる形に。

STEP 4

検索可能な状態を維持

ファイル名で日付・金額・取引先で検索できれば検索要件クリア。PCの検索機能で十分。クラウド会計ソフトを使うとさらに楽。

事務処理規程の最小サンプル
国税庁が公開している「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」の雛形を使えば、ほぼコピペ+会社名差し替えで対応できます。「電子取引情報を訂正・削除しない」という原則を明記し、責任者と保存期間(7年)を記載するだけ。1ページで作成可能です。

検索要件と小規模事業者の緩和措置

検索要件は「日付・金額・取引先で検索できること」が原則ですが、副業法人主には緩和措置があります。

小規模事業者向け緩和措置

基準期間(2期前)の課税売上高が5,000万円以下の事業者は、税務調査時にデータをダウンロードできる状態で提示すれば、検索機能の確保は不要です。副業法人主のほとんどはこの規模に該当します。

それでもファイル名は整えておく

緩和措置でデータダウンロード提示が認められても、自分が後で見返すときの利便性のためにも、ファイル名は「日付_金額_取引先名.pdf」の形式で整えておくのが実用的です。税理士からの問い合わせ・税務調査時の対応スピードが格段に変わります。

私は最初、「電帳法対応で何百万円もシステムを入れないとダメ?」と勘違いしていました。実際に税理士に確認したら、「事務処理規程1枚+Googleドライブのフォルダ整理だけで OK ですよ」と言われ、拍子抜けしました。

今は「2026年度/受領/〇〇社/20260509_50000_acompany.pdf」のような命名規則で、Googleドライブに保存しているだけです。月1回、メール添付PDFと EC領収書をまとめてダウンロード→保存するだけで、毎月10分程度の作業で済んでいます。

クラウド会計ソフトの活用

freee・マネーフォワード・弥生などのクラウド会計ソフトには、電帳法対応の機能が標準で搭載されています。

クラウド会計ソフトのメリット

手動運用 vs クラウド会計ソフト

項目 手動(フォルダ管理) クラウド会計ソフト
初期コストゼロ月2,000〜5,000円
事務処理規程自分で作成雛形提供
真実性確保規程で対応タイムスタンプ自動
検索性ファイル名規則自動メタデータ
仕訳との紐付け手動自動
月次運用工数30分程度10分程度

取引数が月数十件程度であれば手動運用で十分。月100件を超えるならクラウド会計ソフトの導入で工数が大幅削減されます。

対応しなかった場合のリスク

「ばれなければ大丈夫」と対応しないと、税務調査でリスクが顕在化します。

主なリスク
① 電子取引データを紙のまま保存していると、その電子取引データの存在が税務上認められない可能性
② 関連する経費の損金算入が否認されるリスク
③ 重大な場合は青色申告の取消(=各種税優遇の喪失)
④ 税務調査での印象悪化 → 他の論点でも厳しく見られる

最小限の対応はコスト的にもメリット大

事務処理規程1枚 + フォルダ整理だけで対応できるため、対応コストは実質ゼロ〜数時間。これでリスクを完全回避できるなら、対応しない理由はありません。クラウド会計ソフト導入後はさらに自動化されます。

よくある質問(FAQ)

Q. 副業法人でも電子帳簿保存法の対応は必須ですか?

A. 対応必須なのは「電子取引データの電子保存」だけです。これは2024年1月から完全義務化されており、すべての法人・個人事業主が対象。メール添付PDF・クラウドサービスでの請求書・ECでの領収書PDFなどを、紙に印刷して保存することが原則認められなくなりました。一方、紙で受領した請求書・領収書のスキャナ保存は任意のため、紙のまま保存することも可能です。

Q. 電子取引データは具体的に何を電子保存すればいいですか?

A. 電子で授受した取引情報すべてが対象です。具体例:メール添付PDFの請求書、Amazon・楽天等のECサイトで発行されるPDF領収書、クラウド請求書サービス(請求書プラットフォーム)からダウンロードしたPDF、QRコード決済の利用明細、銀行のWEB明細など。これらを真実性確保(タイムスタンプまたは事務処理規程)と検索性確保(日付・金額・取引先で検索可能)の両方を満たす形で保存する必要があります。

Q. タイムスタンプは絶対に必要ですか?

A. 必須ではありません。真実性確保の手段はタイムスタンプ以外にも認められており、最も簡便な対応は「事務処理規程の整備」です。電子取引データの訂正・削除のルールを定めた事務処理規程を作成しておくだけで、タイムスタンプなしでも要件を満たせます。クラウド会計ソフト(freee/マネフォ/弥生)はこの規程整備をサポートする機能があり、副業法人主の多くはこの方法で対応しています。

Q. 検索要件はどう満たせばいいですか?

A. 原則は①取引日付、②取引金額、③取引先の3項目で検索可能であることが要件です。具体的な対応として:①ファイル名に「20260509_50000_acompany.pdf」のような形式で日付・金額・取引先を含める、②検索可能なExcel索引を別途作成する、③クラウド会計ソフトの検索機能を使う、のいずれかが代表的な方法。基準期間の売上が5,000万円以下の小規模事業者は検索要件が緩和されており、税務調査時にデータをダウンロード提示できれば検索機能なしでも認められます。

Q. 対応しないとどうなりますか?

A. 電子取引データを紙のまま保存していると、その電子取引データの存在を税務上認めてもらえない可能性があります。指摘事項として処理されると、関連する経費の損金算入が否認されることや、青色申告の取消(重大な場合)に発展するリスクも。実務的には、副業法人レベルで青色取消まで進むケースはまれですが、対応していないこと自体が税務調査での印象を悪くする要因になります。


📝 この記事のまとめ

📁
必須対応は「電子取引データ保存」だけ。3区分のうち1つ。スキャナ保存・電子帳簿等保存は任意。
📝
事務処理規程1枚で対応可能。タイムスタンプ不要。国税庁の雛形を使ってコピペで作成。
🔍
検索要件は緩和措置あり。売上5,000万円以下なら、税務調査時にデータダウンロード提示で OK。
💻
クラウド会計ソフトで自動化。月10分程度の運用で電帳法・インボイス対応が完結。
⚠️
対応しないリスクは経費否認・青色取消。対応コストは数時間〜月10分なので、必ず対応する。
税理士に電帳法対応を相談する

電帳法対応は最小限のコストで完了できる

「自社の運用が要件を満たしているか不安」「事務処理規程の作り方がよく分からない」など、個別判断は税理士相談が確実です。クラウド会計ソフトとの組み合わせも含めて、最適な運用を聞いてみてください。

税理士の無料相談を探す →
※本記事は2026年5月時点の電子帳簿保存法・実務に基づく一般的な情報提供を目的としたものです。実際の運用設計は、必ず税理士等の専門家にご相談のうえ、読者ご自身の判断で行ってください。電帳法は今後改正される可能性があります。
※本サイトはアフィリエイト広告を含みます。